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熊本県回答 2013年5月16日

2013年5月16日

水俣病溝口訴訟原告 溝口秋生 様
水俣病溝口訴訟弁護団
    代表 弁護士 山口紀洋 様

熊本県環境生活部長

 4月17日に行われた申入れ等に関する回答について
 去る4月17日の知事面談の場で申し入れ及び提案された事項に関し、現時点で回答できるものについて、次のとおり回答します。

1 熊本県は、チエの処分を認定申請後21年間も放置し棄却処分とした上に、チエは水俣病とは認められないと否定し続け、今日までチエの水俣病認定を遅らせてきた責任を認め、私ども患者家族に謝罪すること

(回答)
 溝口さんには、知事が4月17日にお会いしたとき、また、4月24日チエさんの御霊前にお参りした際に直接謝罪の気持ちをお伝えしました。

2 熊本県知事は、ただちにチエを水俣病と認定すること

(回答)  最高裁判決を厳粛に受け止め、知事の判断により直ちに4月19日付けでチエさんを認定し、4月22日に決定通知をお届けしたところです。

3 環境省および熊本県は、不知火海沿岸など汚染魚介類摂食住民の健康被害に係る悉皆調査を実施すること

(回答)
 健康調査の実施については、水俣病被害者救済特別措置法において、「健康に係る調査 研究」は国が調査手法の開発を行ったうえで実施することとされています。
 また、関係地方公共団体は調査研究に協カすることとされており、本県としては、国が行う調査研突の取組みに協力してまいりたいと考えています。

4 環境省は、52年判断条件を無効とし、悉皆調査のデータに基づく適正な認定基準を作成すること

(回答)

・国が定めた52年判断条件について、国は、見直しは考えていないと表明しています。なお、国では、現在、最高裁判決で指摘された多角的・総合的な見地からの検討の具体化について作業を行っています。

・県は、国が行う多角的・総合的な検討の具体化に係る作業について積極的に参加してまいります。

5 環境省および熊本県は、これまでの認定申請棄却処分としたすべての患者に対し、新たな基準による審査を行うこと

(回答)
 国は、52年判断条件の見直しは考えていないと表明し、また過去の棄却処分についても見直しは必要ないとしています。
 県としては、次のとおり考えております。

・法定受託事務の執行者としては、認定基準は3県共通のものでなければなりません。

・よって、認定基準は法律の解釈権限を持つ環境省が示すべきものです。

・最高裁判決では、52年判断条件は、迅速かつ適切な判断を行う上で合理性があると認め、症候の組合せがないには、知事に多角的、総合的な見地からの検討を求めています。

・このため、その総合的検討について、国はその具体化の検討を進めています。

・県としては、国が行う多角的・総合的な検討の具体化に係る作業について積極的 に参加してまいります。

以上

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